おひな様は「時空を超えた愛の贈り物」だと私は思います。
生まれたばかりの赤ちゃんの、20年後・30年後の幸せな結婚を願って、
おじいちゃんとおばあちゃんから贈られます。
限りある命をつなぐ家族の中で、
遠い未来の夢と幸せを願って贈る不思議な贈り物がおひなさまです。
そんなおひな様は、家族の愛がつめ込まれた「玉手箱」のようなものです。
毎年そっとふたを開けたとき、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんからの
あたたかくて、深くて、大きな愛の気持ちが、赤ちゃんを包んでくれることと思います。
おひな様を飾る度に、その女の子の記憶にはないかもしれないけれど、
記憶より深く心にきざみ込まれた「家族の愛の記憶」がよみがえるのです。
そして大きく成長していく中で、その「愛の記憶」こそが、心の大きな柱を築き、
何があっても強く生きられる支えになるのだと思います。
また、パパやママが、もし子育てや生活にくじけそうになっても、
赤ちゃんが生まれてくれたことに感謝したあの日のことを..
命への感謝と祈りの気持ちを、おひな様がきっと思い出させてくれると
信じています。
神話の時代から受け継がれた「雛」に込められた「夫婦和合」の心、夫婦や家族の愛の軸が
心になければ、本当の幸せや夢をかなえられないことを、日本人は知っていました。
ひなまつりは、それほど深くて、大きくて、やさしい、世界に誇る素晴らしい文化なのです。
どんなものでもいい...思いを込めて、心を込めて選んだおひな様を通して、
家族の愛の気持ちを届け、つなぎ、感じてほしいと思います。
そして、誇らしげにひな祭りをお祝いして下さい。
yukako goto (master of traditional crafts)
後藤由香子 works
岐阜市生まれ、幼少のころから人形師の祖父の傍らで、人形作りに親しむ。
早稲田大学では、心理学を専攻。アートセラピー、音楽療法などを研究。
オーストラリア、アメリカ留学を経て、卒業後は放送局のアナウンサーとして
TVニュースのキャスターなどをつとめる。
現在、各分野でみがいた感性を生かし、自然をテーマにしたひな人形の企画、
デザイン、制作を手がけている。
雛人形コンクールで最高賞連続受賞。2008年、岐阜市・フィレンツェ姉妹都市
30周年で世界遺産に作品展示。2009年、銀座ギャラリー21で個展。
2011年ギャラリー アット ハイアットで個展。
節句人形工芸士(master of traditionalcrafts)、カラーセラピスト。
